
「勉強はしているのに、入試問題になると解けない」
「1・2年生の復習をしたいけれど、何から始めればよいのか分からない」
10月も後半に入り、高校受験を控えた中学3年生には、こうした悩みが出てくる頃です。保護者の皆さまも、お子さまの勉強の様子を見ながら、「この進め方で間に合うのだろうか」と感じることがあるかもしれません。
昨日のブログでは、学びにおける「流れ」についてお伝えしました。
知識がつながり、「なぜそうなるのか」を自分でたどれること。その途中に、意味の分からない言葉や、納得しないまま覚えた手順があれば、そこに理解の「よどみ」が生まれます。
では、高校受験に向けた復習では、どのような順番で学べば、そのよどみを見つけ、理解をつなぎ直せるのでしょうか。
今日は数学と英語を分けて、秋から入試までを見据えた復習の進め方をご紹介します。
大切なのは、すべてを最初から同じ時間をかけてやり直すことではなく、理解のつながりに沿って、必要なところへ戻ることです。
【数学】計算・式・グラフ・図形を、つながりのある知識にする
数学では、「中1の問題集が終わったら中2へ」という学年順の復習だけでなく、関連する単元をまとめ直すことで、学びのつながりが見えやすくなります。
基本の流れは、次のように考えられます。
数と文字式 → 方程式 → 関数 → 図形 → データの活用・確率 → 入試形式の総合演習
ただし、これは全員が同じ速さで進める一本道ではありません。得意な単元は確認を短くし、つまずきのある単元に時間を配分します。学校でまだ習っていない内容は、授業の進度に合わせて組み込みましょう。
① 正負の数・文字式から、式の計算を整える
最初に確認したいのは、数学の土台となる計算です。
正負の数、分数、文字式、式の展開、因数分解、平方根を、基本問題で確かめます。
ここで見たいのは、正答率だけではありません。
「マイナスを含むかっこを外すとき、なぜ符号が変わるのか」
「分母に文字を含む式で、約分してよい部分はどこか」
「展開と因数分解は、どのような関係にあるのか」
こうしたことを説明できるかが大切です。
例えば、展開と因数分解を別々の計算として覚えていると、公式が増えるほど混乱します。しかし、「かけ算の形を広げる」「広げた式をかけ算の形に戻す」という関係が分かれば、理解がつながります。
計算練習は、この段階だけで終わらせず、その後も毎日5〜10分程度、継続していきましょう。
② 一次方程式から、連立方程式・二次方程式へ
次は、方程式をひとまとまりにして復習します。
一次方程式 → 連立方程式 → 二次方程式
ここで共通しているのは、「等式の関係を保ちながら、未知の数を求める」という考え方です。
移項を単なる「反対側に移して符号を変える操作」として覚えている場合には、両辺に同じ数を加えたり、引いたりしていることを確かめます。
文章題では、解き方を丸ごと暗記する前に、次の順序を身につけたいところです。
-
何を文字で表すか決める。
-
数量と単位を整理する。
-
等しい関係を見つけて式にする。
-
解いた答えが、問題の条件に合うか確かめる。
速さの問題で式が立たないなら、「距離・速さ・時間」の関係へ。割合の問題で止まるなら、「何をもとにした割合か」へ戻ります。
方程式で困っているように見えて、実際には小学校の数量関係が途切れていることもあるのです。
戻る場所を正しく見つけることが、復習の効率を変えます。
③ 比例・反比例から、一次関数・二次関数へ
方程式の基本を確認したら、関数へ進みます。
比例・反比例 → 一次関数 → (y=ax^2) の関数
関数では、式だけを覚えるのではなく、表・式・グラフを行き来することが重要です。
「表の数値は、式のどこに当てはまるのか」
「グラフ上の点の座標は、何を表しているのか」
「グラフの交点を求めるとき、なぜ方程式を使うのか」
ここまでつながると、方程式で学んだことが、関数の問題を解く道具になります。
一次関数の傾きと、(y=ax^2) の変化の割合を同じものとして機械的に扱わないことも大切です。似ているところと異なるところを、実際の表やグラフで比べましょう。
そのうえで、交点、面積、動く点などを扱う問題へ進みます。
④ 角度・合同から、相似・円・三平方の定理へ
図形は、まず平行線と角、多角形、三角形の性質を確認し、合同と証明へつなげます。その後、既習範囲に応じて、相似、円周角、三平方の定理へ進みます。
図形の復習では、「この形ならこの公式」と覚えるだけでは、向きや配置が変わったときに対応できません。
「どの角が等しいのか」
「その根拠は何か」
「どの三角形に注目すると、必要な長さが分かるのか」
図に印をつけ、根拠を言葉にする練習が必要です。
証明も、模範解答を書き写すだけで終えず、「条件から何が言えて、それを使うと次に何が言えるか」を追っていきます。
なお、空間図形の体積・表面積、展開図、立体の位置関係も忘れずに確認しましょう。平面図形の知識が、立体の中でも使えることに気づくと、図形の理解が広がります。
⑤ データの活用・確率を確認し、総合問題へ
最後に、資料の読み取り、代表値、箱ひげ図、確率、標本調査などを確認します。
この分野は、後回しにした結果、復習が抜けてしまわないよう注意したいところです。関数や図形の復習と並行して、短時間ずつ進めても構いません。
確率では、樹形図や表を使って、場合を重複なく、漏れなく数えること。データの問題では、用語の意味を理解し、資料から言えることと言えないことを区別することが大切です。
そして、単元別の確認と並行して入試形式の問題にも触れ、最後は時間を計って解く練習へ進みます。
間違えたら、「数学が苦手」で終わらせず、計算、立式、グラフ、図形の根拠など、どこで流れが止まったかを見つけます。そこへ戻ることが、仕上げの復習になります。
【英語】文の骨組みから、長文を読み取る力へ
英語の復習では、文法項目をばらばらに覚え直すよりも、「英文がどのように組み立てられているか」という順序で整理すると、理解がつながりやすくなります。
基本の流れは、次のとおりです。
主語・動詞と語順 → 時制・助動詞 → 文を広げる表現 → 名詞を詳しく説明する表現 → 長文読解・英作文
ただし、単語・音声・短い英文の学習は、最初から並行して続けます。文法が全部終わるまで、読む・聞く練習を待つ必要はありません。
① be動詞・一般動詞と、基本の語順を確認する
最初に戻りたいのは、英文の骨組みです。
“I am busy.”
“I study English.”
この2つの文について、主語と動詞を見つけ、否定文や疑問文に変えられるでしょうか。
be動詞と一般動詞の区別が曖昧なままだと、学年が上がっても、英文を作るたびに迷いが生まれます。
また、代名詞も、単語として唱えるだけでなく、文の中で使い分けます。
“He likes her.”
“His bag is new.”
「誰が」「誰を」「誰の」によって形が変わることを、語順と結びつけて確認します。
ここが整うと、その後の文法を理解するための足場ができます。
② 現在・過去・未来から、進行形・現在完了へ
次に、「いつのことを、どのように伝えるか」を整理します。
現在形、過去形、未来を表す表現を確認し、現在進行形・過去進行形、現在完了、既習であれば現在完了進行形へと進めます。
例えば、
“I study English every day.”
“I am studying English now.”
この違いを、単なる語形の違いではなく、「普段の習慣」と「今していること」の違いとして理解することが大切です。
現在完了では、過去形との違いに注目します。過去の出来事を述べるのか、それが現在とどうつながっているのかを、場面と一緒に考えます。
助動詞もこの段階で整理し、can、must、may、shouldなどが、文の意味に何を加えるのかを確かめましょう。
③ 不定詞・動名詞・比較・接続詞で、文を広げる
基本の文が読めるようになったら、伝えられる内容を広げていきます。
不定詞と動名詞では、「〜すること」「〜するために」「〜するための」といった働きを、文の中で確認します。
“I went to the library to study.”
この文なら、まず「私は図書館へ行った」という骨組みをつかみ、その後に「勉強するために」が加わっていると考えます。
比較では、何と何を、どのような観点で比べているかを読み取ります。接続詞では、because、when、ifなどが、理由・時・条件をどのようにつないでいるかを確認します。
英文が長くなっても、骨組みと付け加えられた部分を分ければ、意味をたどりやすくなります。
④ 受け身・後置修飾・関係代名詞で、長い文の構造をつかむ
次は、長文読解につながる重要な復習です。
受け身では、「誰がするか」だけでなく、「何がされるか」に注目した文の作り方を確認します。
後置修飾では、英語には名詞の後ろから説明を加える形があることを理解します。
“the boy playing soccer”
“the book that I bought yesterday”
それぞれ、まず「その少年」「その本」をつかみ、その後にどのような説明が加わっているかを読み取ります。
関係代名詞の文で迷ったら、主語と動詞の確認へ戻ります。長い文の理解も、最初に復習した骨組みの上に成り立っているのです。
間接疑問文では語順を、仮定法では実際の状況と述べている内容の関係を確認し、学校で学んだ範囲を整理していきましょう。
⑤ 長文・英作文・リスニングを、文法と結びつける
文法の復習は、問題集の空欄を埋めて終わりではありません。
確認した文法が、文章の中でどのように使われているかを読み、自分でも使ってみることで、入試に向けた力につなげます。
長文では、まず主語と動詞、接続詞、代名詞が指す内容を確認し、段落ごとの話題や筆者の考えを追います。すべての文を日本語に訳すことだけを目標にせず、必要な情報を正確につかむ練習をしましょう。
英作文では、難しい表現を無理に使うよりも、習った語順と文法で、伝えたいことを正確に書きます。
リスニングでは、聞き取れなかった部分を英文で確認し、意味を理解してから再び聞きます。音読も組み合わせ、文字で分かる英語と、音で分かる英語をつないでいきます。
単語も、意味を一つ覚えるだけでなく、短い例文の中で、読み方・つづり・使い方を確認することが大切です。
復習は「一度終わらせる」から「自分で使える」へ
数学にも英語にも共通するのは、解説を読んで分かったことと、自分の力でできることは同じではない、という点です。
復習は、次の流れで進めてみてください。
自力で解く → 止まった理由を見つける → 必要なところへ戻る → 解説を閉じて解き直す → 数日後にもう一度確かめる
さらに、単元名が示されていない混合問題でも、使う知識を自分で選べるかを確認します。
「今日は何ページ進めたか」に加えて、「今日は何と何がつながったか」を振り返ってみましょう。
方程式とグラフがつながった。
主語・動詞の理解が、関係代名詞の読解につながった。
こうした積み重ねが、初めて見る問題に向き合うための土台になります。
小金井市の個別指導塾・聡生館が大切にしているのは、一人ひとりの理解に合わせて、学ぶ順序と進め方を整えることです。
焦りが出やすい時期だからこそ、必要なところへ戻り、理解をつなぎ直す。その復習を、入試本番で自分の力を発揮するための準備へとつなげていきたいと考えています。
明日は理科・社会、三日目は国語へ
今回から3日間にわたり、高校受験に向けた「流れるような復習」を、教科ごとに考えていきます。
明日は、理科・社会です。
理科は、用語・現象・実験・考察をどうつなぐか。社会は、地理・歴史・公民を、ばらばらの暗記で終わらせず、関係のある知識としてどう整理するかを取り上げます。
三日目は、国語です。
語彙・文法を土台に、説明的文章・文学的文章・古文の読み方、そして記述問題の答え方を、どのような順序で復習すればよいかをお伝えします。
勉強の流れが止まったときは、つながっていない場所を探すところから始めましょう。そこをつなぎ直すことが、次の一問へ進む力になります。
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