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2026/02/09
スプラウツ
療育で本当に大切なのは「家庭での時間」かもしれない ――ABA療育から見えてくる、日常の関わりの力

療育について相談を受けていると、多くの保護者の方がこうおっしゃいます。

「週に1回の療育だけで大丈夫でしょうか?」
「教室に通わせていれば変わっていきますか?」

その気持ちはとてもよく分かります。
専門家に任せることで、何かが大きく変わるのではないか。そんな期待を抱くのは自然なことです。

しかし、長年の療育の歴史や研究、そして現場での実感から言えることがあります。

それは、

👉 子どもを一番変えるのは「日常の関わり」
である、ということです。

そして、この考え方はABA(応用行動分析)という療育の分野でも非常に重要視されています。


ABA療育が教えてくれる「時間の意味」

ABA(Applied Behavior Analysis)は、行動を科学的に分析し、望ましい行動を増やしていく療育法です。

この分野の初期の実践では、非常に長時間の療育が行われていました。

特に有名なのは、心理学者イヴァー・ロヴァース(Ivar Lovaas)の研究です。
彼は、自閉スペクトラム症の子どもに対して、

👉 1日数時間から最大40時間/週という集中的な療育

を実施しました。

これは単に「たくさんやればいい」という意味ではありません。

重要なのは、

✔ 行動は環境との関係で変わる
✔ 繰り返しの中で学習が起こる
✔ 日常生活そのものが学びの場になる

という点です。

つまり、療育は教室の中だけで完結するものではない、ということです。


なぜ家庭が最も重要なのか

考えてみると、子どもが一番長く過ごす場所はどこでしょうか。

それは、

👉 家庭です。

週1回の療育が1時間だとしても、家庭で過ごす時間は圧倒的に長い。

この時間の中で、

・どんな言葉をかけられるか
・成功体験をどう扱うか
・失敗したときにどう関わるか

これらの積み重ねが、子どもの行動や自己認識を形作っていきます。

ABAでは「強化(reinforcement)」という考え方があります。

良い行動が起きた瞬間に、適切な反応をすることで、その行動が増えていきます。

これは特別な技術ではありません。

例えば、

・できたことをすぐに認める
・小さな変化に気づく
・叱るよりも成功を見つける

こうした日常の関わりが、実は療育そのものなのです。


家庭療育=頑張りすぎることではない

ここで誤解してほしくないことがあります。

家庭療育が大切、と聞くと、

「親が頑張らないといけない」
「家でも訓練しないといけない」

と感じてしまう方も多いです。

でも、私たちが考える家庭療育は、

❌ 特別な教材を使うこと
❌ 毎日訓練すること

ではありません。

むしろ、

✔ 普段の生活を学びの機会として見ること
✔ 子どもの行動の意味を少し理解すること
✔ 親自身が安心して関われること

が重要です。


スプラウツが目指しているもの

スプラウツでは、療育を「施設の中だけの支援」とは考えていません。

本当に大切なのは、

👉 家庭・学校・本人の世界がつながること。

だからこそ、

・保護者との対話
・家庭でできる関わり方の共有
・無理のない実践

を大切にしています。

療育は、専門家が子どもを変える場所ではありません。

保護者と子どもが安心して関われる環境を整えること。

それが結果として、子どもの変化につながっていくのです。


「完璧な関わり」を目指さなくていい

最後に、保護者の方へ。

療育に正解はありません。

いつも完璧に関われなくても大丈夫です。

むしろ、

✔ 今日ひとつ笑顔で関われた
✔ できたことに気づけた

そんな小さな瞬間こそが、療育の本質です。

子どもは、長い時間を共に過ごす人から一番学びます。

だからこそ、家庭の時間は、何よりも大きな力を持っています。


🌱
by Dr. Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所  代表理事

 聡生館/Sprouts  代表)

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