
「うちの子、塾に行っているのに先生があまり教えてくれていないみたいなんです。
それって、自習と同じではないのでしょうか?」
個別指導塾を運営していると、このようなご相談を保護者の方からいただくことがあります。
お子さんに授業の様子を聞くと、
「先生は横にいるけれど、自分で問題を解いている時間が多い」
「ずっと解いていて、質問することはあまりない」
そう聞けば、保護者としては不安になります。
「それなら、家で勉強しているのと同じではないか」
「塾に通う意味があるのだろうか」
そう思われるのも、決して不思議ではありません。
しかし実は、この疑問の中には、**多くの人が持っている“学習の誤解”**が含まれています。
それは、
「先生が教えている時間=学力が伸びている時間」
という考え方です。
多くの人は、塾の授業とは、先生が説明をして、生徒がそれを聞く時間だと思っています。
確かに学校の授業は、そのような形が多いでしょう。
しかし、教育の現場で長く生徒を見ていると、はっきりと分かることがあります。
それは、
学力が本当に伸びるのは、先生の説明を聞いている時間ではない
ということです。
学力が伸びる瞬間とは、
・問題を解く
・考える
・悩む
・試行錯誤する
・もう一度解く
このような時間です。
つまり、生徒が自分で考えている時間です。
先生が説明をしている時間は、もちろん大切です。
しかし説明を聞くだけでは、理解は深まりません。
人間の理解というものは、
「自分の頭で考えた時」
に初めて定着します。
そのため、学力が伸びる授業には必ず
生徒が黙って問題に向き合っている時間
があります。
外から見ると、それは静かな時間です。
先生が話していない時間です。
しかし、その静かな時間こそが、実は
最も学力が伸びている時間
なのです。
個別指導塾の授業は、実は科目や理解度によって形が変わります。
例えば、ある程度理解が進んでいる科目では、
・学習計画を立てる
・問題演習を進める
・途中で理解を確認する
・必要なところだけ解説する
という形になります。
この場合、生徒が問題を解いている時間が長くなるため、外から見ると
「静かに勉強しているだけ」
のように見えることがあります。
しかしそれは決して自習ではありません。
教師はその間、
・どのように問題を解いているか
・どこでつまずくか
・理解がどこまで進んでいるか
・どんな思考の癖があるか
を注意深く見ています。
そして必要なタイミングで、
・解き方を修正したり
・考え方を整理したり
・理解を深める説明を行います。
つまり、
ただ勉強している時間ではなく、
指導の中で設計された学習時間
なのです。
一方で、苦手科目では授業の形は変わります。
例えば数学などで理解が不十分な場合は、
・解説
・質問
・再解説
という形が増えます。
つまり個別指導では、
得意科目と苦手科目で授業の形が変わる
のです。
得意科目では演習中心。
苦手科目では解説中心。
このバランスがとても重要です。
実は教育現場では、
質問が多い授業が必ずしも良い授業とは限りません。
質問が多すぎる場合、
・基礎理解が不足している
・自分で考える時間が少ない
という可能性もあります。
本当に理解が進んでいる生徒は、
「まず自分で考える」
という姿勢が身についています。
そのため、授業中に静かな時間があることは、
決して悪いことではありません。
むしろそれは、
思考が働いている時間
なのです。
個別指導塾の役割は、単に
「教えること」
ではありません。
本当の目的は、
生徒が自分で学べる状態を作ること
です。
受験が終われば、人生は続きます。
大学では、自分で勉強しなければなりません。
社会に出ても、学び続ける必要があります。
その時に必要なのは、
「誰かに教えてもらう力」
ではなく、
自分で学ぶ力
です。
個別指導とは、その力を育てる教育でもあります。
聡生館では、生徒一人一人の状況を見ながら、
・学習設計
・演習時間
・理解確認
・必要な解説
を組み合わせて授業を行っています。
一見すると静かな時間の中で、生徒は
・考え
・試行錯誤し
・理解を深めています。
そして教師は、その過程を見ながら、最も効果的なタイミングで指導を行います。
塾の授業というと、
「先生が教えている時間」
だと思われがちです。
しかし本当に学力が伸びるのは、
生徒が自分で考えている時間
です。
静かな教室の中で、生徒が問題に向き合っているその時間こそが、
学力が育っている時間
なのです。
そして個別指導とは、その時間を最大限に活かすための教育なのです。
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