
「うちの子、大丈夫でしょうか?」
未就学児や小学校低学年のお子さんを持つ保護者の方から、よくいただくご相談です。
文字は書ける。
計算も少しできる。
でも、落ち着きがない。
話を最後まで聞けない。
友だちと衝突が多い。
こうした姿を見ると、不安になるのは当然です。
しかし、ここで大切なのは
“今できること”よりも、“何を土台にしているか” です。
中学年以降に学力や社会性でつまずく子の多くは、
能力が足りなかったわけではありません。
土台の設計が曖昧だったのです。
■ 学力の土台は「知識」ではない
未就学児や低学年でありがちなのが、
・早く漢字を覚えさせる
・先取りで計算を進める
・ワークをどんどんやらせる
という“前倒し学習”です。
確かに一時的には伸びます。
しかし中学年以降、急に失速するケースがあります。
なぜでしょうか。
それは、
「理解の回路」よりも「正解の回路」を先に作ってしまうからです。
本来この時期に育てるべきなのは、
・問いを持つ力
・考え続ける力
・間違いを受け入れる力
・説明しようとする力
です。
文字や計算は、その“上に乗るもの”にすぎません。
■ 社会性の土台は「我慢」ではない
「きちんと座っていられない」
「順番を待てない」
「感情の起伏が激しい」
こうした姿に対して、
「我慢させなければ」と考えてしまうことがあります。
しかし、社会性は我慢で育つものではありません。
社会性の本質は、
・自分の気持ちを言語化できること
・相手の立場を想像できること
・失敗後に修正できること
です。
つまり、
感情を抑えることではなく、扱えるようになること。
未就学児期は、感情の練習期間です。
泣くことも、怒ることも、実は必要な経験なのです。
■ 中学年以降で問題化するパターン
小学校3~4年生になると、
・抽象思考が始まる
・学習量が増える
・友人関係が固定化する
この三つが同時に起きます。
ここで土台が弱いと、
✔ 計算はできるが文章題が苦手
✔ 国語が読めるが要約できない
✔ 友達関係で孤立しやすい
✔ 感情の爆発が増える
という形で表面化します。
つまり問題は「突然」起きるのではなく、
土台の揺らぎが表面化する時期が中学年なのです。
■ 注意すべき4つのポイント
① できることより「どう考えたか」を聞く
正解よりも思考過程を大切にする声かけを。
② 失敗を叱責しすぎない
失敗は脳の可塑性を育てる最高の教材です。
③ 集中時間より回復時間を整える
低学年は「長時間」より「質とリズム」。
④ 比較を減らす
兄弟や友人との比較は自己効力感を削ります。
■ スプラウツが大切にしていること
スプラウツでは、
・学力支援
・療育的視点
・社会性の育成
を切り離して考えません。
なぜなら、
学力は社会性の上に成り立ち、
社会性は自己理解の上に成り立つからです。
未就学児~低学年期は、
「点数」を作る時期ではなく、
“学び方”と“感じ方”を整える時期です。
この時期に、
・問いを楽しめる子
・間違いを怖がらない子
・自分の気持ちを言葉にできる子
に育てることができれば、
中学年以降で大きな問題に発展する可能性は大きく下がります。
■ 最後に
将来困らないように、今できることを増やす。
それも大切です。
しかし本当に重要なのは、
困った時に立て直せる力を育てること。
未就学児~低学年は、
“能力の差”が生まれる時期ではありません。
“設計の差”が生まれる時期です。
もし、
・落ち着きがない
・学習の集中が続かない
・友達関係で心配がある
と感じているなら、
それは「早期に整えられるサイン」でもあります。
スプラウツでは、
一人ひとりの特性に合わせた支援を行っています。
未来は、
今の土台から静かに育っていきます。
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