
来られなくなってしまった子へ
― スプラウツの「戻れる場所」のつくり方 ―
フリースクールに通い始めた当初は意欲的だったのに、
だんだんと教室に足が向かなくなり、
ついには全く来られなくなってしまう——。
スプラウツでは、こうしたケースに毎年出会います。
しかし、私たちはこの状況を“問題”とは捉えません。
むしろ、その子の心の中で何かが起きているサインとして丁寧に向き合います。
■ 1. 「行けなくなる」には必ず理由があります
子どもが通えなくなる背景には様々な要因があります。
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心の疲れ・ストレスの蓄積
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新しい環境に慣れにくい特性
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自己肯定感の低下
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行動の一歩が踏み出せない“実行機能の弱さ”
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家庭・学校でのプレッシャー
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「またうまくいかないかもしれない」という不安
これらは、決して怠惰ではなく、
子どもの心がいったん休憩を必要としている状態です。
■ 2. スプラウツの基本姿勢
スプラウツが最も大切にしているのは、
「戻れる場所を消さない」こと。
休んでしまっても、距離があっても、
その子が再び戻ってこられる“ドア”を閉じません。
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責める言葉は一切使わない
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連絡は短く・優しく・プレッシャーをかけない
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「またいつでもおいで」と伝え、つながりを保つ
このようにして、子どもが安心できる関係性を守ります。
■ 3. 来られなくなった時にスプラウツがすること
① 安心のメッセージを届ける
「元気にしてるかな?」「いつでも大丈夫だよ」
その一言で、子どもは“つながっていていいんだ”と感じられます。
② 無理に呼び戻さない
保護者が焦る気持ちは自然ですが、
焦りはそのまま子どもにも伝わります。
スプラウツでは、
「今は休むとき」「必ず動ける時期がくる」
という前提で、家庭との連携を大切にします。
③ 再出発のステップを一緒につくる
復帰のとき、いきなり通常の授業には戻しません。
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オンラインで顔を出す
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教室の前まで来て数分だけ入る
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好きな活動だけ短時間参加
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通塾ペースを減らして再スタート
**“小さな成功体験”**を積んでから、ゆっくり戻っていきます。
■ 4. 「戻れた」という経験は、大きな成長になる
来られなかった子が再び扉を開けてくれた瞬間、
それはとても大きな成長の一歩です。
スプラウツでは必ず、
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“来てくれて嬉しい”と伝える
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その勇気をしっかり認める
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成功体験として心に残る関わりをする
こうした言葉の積み重ねが、安定した再スタートになります。
■ 5. スプラウツは「続けられない子」のための場所
最初から安定して通える子のほうが珍しいのです。
止まりながら、休みながら、
時には後戻りしながら——
それでもまた一歩を踏み出そうとする子どもたちを、
私たちは丁寧に支え続けます。
スプラウツは、
“続けられなくても戻ってこられる場所”
として、小金井市でフリースクールを必要とする子どもたちを支えていきます。
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