
冬期講習の申込が始まると、
私は毎年、同じことを考えます。
「この時期に、どれだけのご家庭が“迷っているまま”時間だけが過ぎていくのだろうか」ということです。
冬期講習の案内が出回り、
「まだ間に合う」「ここから逆転」といった言葉が並び始める頃。
一方で、実際には多くのご家庭が、決断できないまま立ち止まっています。
それは、怠けているからでも、情報が足りないからでもありません。
むしろ逆です。
考え過ぎているからこそ、動けなくなっている。
この時期、毎年のようにその姿を目にします。
冬期講習を前に、保護者が抱える本当の不安
冬期講習を検討する際、
保護者の方が一番恐れているのは「お金」や「時間」ではありません。
本当に怖いのは、
-
この選択は、子どもにとって正しいのか
-
期待させて、もし結果が出なかったらどうなるのか
-
これ以上、子どもを追い詰めてしまわないか
という点です。
「やらなければ不安」
「でも、やらせて失敗したらもっと不安」
この板挟みの状態が、
ご家庭の判断を止めてしまいます。
冬期講習の申込が始まると、
毎年、この“動けない時間”が必ず生まれます。
聡生館が、冬期講習を急がせない理由
聡生館では、
冬期講習の申込を必要以上に急がせることはしていません。
理由は単純です。
冬期講習は、誰にとっても万能な解決策ではない
と考えているからです。
確かに、
この冬に集中して学習に取り組むことで、大きく伸びる生徒もいます。
しかし同時に、
-
今は一度、立て直しが必要な生徒
-
勉強以前に、心の疲れが溜まっている生徒
-
「量」を増やすことで逆効果になる生徒
も、確実に存在します。
そうした状態を見極めずに
「とにかく冬期講習へ」と勧めることは、
塾として正しい姿勢だとは思っていません。
冬に本当に必要なのは「勉強量」だけではない
冬期講習というと、
どうしても「どれだけ勉強させるか」「何時間やるか」という話になりがちです。
ですが、実際の指導現場で重要なのは、
-
学習習慣が崩れていないか
-
勉強への向き合い方が雑になっていないか
-
自分で考える力が残っているか
こうした土台の部分です。
土台が崩れたまま学習量だけを増やしても、
成果は長く続きません。
だからこそ、
聡生館では冬期講習を「詰め込みの時間」ではなく、
立て直しの時間として位置づけています。
それでも、冬期講習を用意している理由
では、なぜ毎年、冬期講習を行っているのか。
それは、
この冬に動くことが、その子にとって意味を持つケースが確かにあるからです。
-
目標がはっきりしている
-
学習の方向性が定まっている
-
立て直しのきっかけを必要としている
こうした生徒にとって、
冬期講習は大きな転機になります。
だからこそ、
誰にでも同じ形で勧めるのではなく、
「この子に必要かどうか」を一緒に考える時間を大切にしています。
申込締切が近づく今、伝えたいこと
冬期講習の申込締切まで、残りわずかになりました。
それでも、
無理に決断する必要はありません。
迷っているということは、
それだけ真剣に子どものことを考えている証拠です。
-
今、何に悩んでいるのか
-
この冬に、何を一番整えたいのか
それを整理するだけでも、
次の一歩は見えてきます。
聡生館では、
講習への申込に関わらず、学習や進路についてのご相談をお受けしています。
この冬、どう動くべきか。
あるいは、あえて動かないという判断も含めて。
毎年この時期になると、
そんなことを考えながら、静かに冬期講習の申込状況を見つめています。
-
スプラウツ国語の読解力はどこで決まるのか ――「読める子」と「読めない子」を分ける4つの脳の働き2025/11/16 -
聡生館この夏休み思考力チャレンジ2025に挑戦してみて下さい。5歳〜120歳の方がエントリー可能です。主催(株)ソニーグローバルエデュケーション2025/07/21 -
スプラウツ“比較しない”という勇気 — 自分のペースで生きる力を育てる —2025/10/29


