
学力・人間力向上のためのブログ
-
2025/10/02
「EQを育てる ― 感情の力が未来をつくる」
◆ 昨日の続き:ゲーム好きの子を学びに繋げるには
昨日のブログでは、子どもの「好き」を出発点にして学びへつなげる方法を考えました。ゲームが好きだからこそ得られる集中力や分析力をどう学習に応用できるかを具体的に示しました。
しかし、「好き」や「得意」を学びに活かすには、土台となる感情の扱い方が欠かせません。たとえ良い教材や方法があっても、子どもが不安でいっぱいだったり、自己否定感にとらわれていたりすれば学びは続きません。ここで鍵になるのが「EQ」という概念です。
◆ EQとIQの違いを分かりやすく
まずはEQとIQの違いを整理してみましょう。
-
IQ(知能指数)
記憶力、論理的思考力、言語能力、数的処理能力といった「学力テストで測れる知能」。公式を覚える、文章を理解する、問題を解くといった「知的スキル」の指標です。 -
EQ(心の知能指数 / Emotional Intelligence)
自分や他人の感情を理解し、コントロールし、適切に活用する力。自分の気持ちを落ち着ける、他人の気持ちに共感する、仲間と協力するなど「人との関わり」や「心の安定」に関わります。
つまりIQは「頭の良さ」を表す数値、EQは「心の賢さ」を示す力です。どちらかが優れていれば人生が上手くいくわけではなく、両方がバランスよく育まれることが理想です。
◆ 不登校や学習不振の背景にあるEQ
学校に行けなくなる子どもや、勉強に向かえない子どもの多くは、単にIQ的な学力が不足しているのではありません。
「失敗が怖い」「自分はダメだと思う」「友達にどう思われるか不安」――こうした感情の問題、つまりEQの課題が背景にあります。
逆に言えば、IQが多少不足していても、EQが育っていれば挑戦を恐れず、自分のペースで学びを続けることができます。
◆ EQを育てると何が変わるのか
-
自己肯定感が高まる
「できない自分」ではなく「挑戦している自分」を認められる。 -
ストレス対処ができる
テストや人間関係で不安になっても、自分で気持ちを整える術を持つ。 -
協力・共感ができる
他人の気持ちに気づき、助け合う姿勢が身につく。 -
挑戦意欲が持続する
失敗を恐れず「次にどうしよう」と切り替えられる。
◆ 家庭でできるEQを育てる工夫
EQは特別なプログラムだけでなく、家庭の小さなやり取りから育ちます。
① 感情に名前をつける
「今日はイライラしてるね」「少し不安かな?」と親が言葉にしてあげる。→ 自分の気持ちを整理できるようになる。
② 成果ではなく過程を認める
「100点だったね」ではなく「毎日続けていたね」「工夫してたね」と声をかける。→ 努力を楽しむ力が育つ。
③ 比べない
兄弟や友達と比べず「昨日より進んだところ」を褒める。→ 自分の歩みに安心できる。
④ 小さな選択を尊重する
「先に宿題?それとも先に休憩?」など子どもに決めさせる。→ 主体性が育つ。
⑤ 振り返りを一緒にする
寝る前に「今日よかったこと」を1つ話す。→ 前向きな記憶を残せる。
◆ スプラウツでのEQ教育の実践
スプラウツでは、不登校や学校適応が難しい子どもたちに「安心できる居場所」を提供していますが、その根底にあるのがEQを育てる指導です。
-
安心の土台づくり
誰にも比べられず、否定されない場を整える。安心感がEQの第一歩。 -
体験型の学び
料理や実験、工作など「できた」を実感できる活動を重ねる。小さな成功体験が自己効力感を高める。 -
対話の重視
子どもの言葉を待ち、共感し、必要なら整理を手伝う。EQは対話の中で伸びる。 -
グループ活動
同じ立場の仲間と協働しながら、「相手の気持ちを考える」機会を増やす。
◆ IQだけでなくEQを伸ばす未来教育
これからの社会で必要とされる力は、単なる知識量ではありません。AIやテクノロジーの発達で「知識を覚える力」は代替されやすい時代になりました。むしろ求められるのは、他者と協力し、自分の感情を整え、失敗を恐れず挑戦できるEQです。
「頭の良さ」と「心の賢さ」がそろって初めて、子どもは安心して未来に踏み出せます。スプラウツは、学力だけではなく感情の力を育てることで、子どもたちの将来を支える教育を目指しています。
◆ 結論 ― EQを育てることが未来をつくる
昨日の「好きから学びへ」に続き、今日は「感情の力」に注目しました。
ゲームの集中力も、勉強への挑戦心も、すべてはEQがあってこそ生きてきます。
安心できる環境の中でEQを育て、子どもたちが「自分らしく生きられる力」を持つこと――それがスプラウツの願いです。
👉 見学・体験は随時受付中です。ぜひお気軽にお問い合わせください。
Category
カテゴリー
Archive
アーカイブ