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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/10/25

    誤答分析から見える“思考のクセ” ― ミスが教えてくれること ―

◆1.「間違えたところだけ直して、終わり」にしていませんか?

テストを返されたとき、多くの生徒がやってしまう行動があります。
それは「赤ペンで正しい答えを書き直して、はい終わり」という勉強です。

でも、それではほとんど力になりません。
なぜなら、それは「事実の修正」であって、「思考の修正」ではないからです。

大事なのは、
**“どこが間違っていたのか”ではなく、“なぜその考え方になってしまったのか”**を見に行くこと。
この「なぜ?」を掘り下げる作業が、受験生にとって決定的な差を生みます。

点数は結果にすぎません。
本当に見るべきなのは、思考の過程です。
その過程=思考のクセを言語化し、次にどう直すかまで落とし込める生徒は、短期間でものすごく伸びます。

聡生館は、この“誤答分析”を学習の中心に置いています。


◆2.ミスには「型」がある

ミスはランダムに起きているわけではありません。
ほとんどの場合、同じ種類のミスが繰り返されています。
これは、「あなたの頭の中には特定のクセがある」ということです。

たとえば、よくある誤答の型には次のようなものがあります。

1️⃣ 読み飛ばし型
問題文の条件をひとつ見落とすタイプ。
「整数で答えよ」と書いてあるのに小数のまま出してしまう。
「最も適切なものを選べ」と言われているのに「不適切なもの」を選んでしまう。
これは“急いで答えに行きたい”という焦りのクセです。

2️⃣ 思い込み型
これ、前にも似た問題やったことある! と直感で突っ走るタイプ。
途中の条件変更や例外に気づけないまま、勝手に以前のパターンに当てはめます。
これは“確かめずに決めるクセ”です。

3️⃣ 手順抜け型
途中まで解き方は合っているのに、式変形や符号や単位で落とすタイプ。
ミスというより確認不足ですが、試験本番ではこれが命取りになります。
これは“検証せずに次へ進むクセ”です。

4️⃣ 理解あいまい型
公式や用語を「なんとなく覚えている」レベルのまま使うタイプ。
表面的には答えを出そうとしているけれど、実は中身がつながっていない。
これは“分かったつもりになるクセ”です。

この4つのどれが多いかで、必要な対策はまったく違います。
だからこそ聡生館では、ただ「間違えた問題」を見るのではなく、
「その間違いはどの型に属するのか」を必ず分類させます。


◆3.“誤答ノート”は、「弱点メモ」ではなく「思考カルテ」

聡生館では、生徒に「誤答ノート」を作らせています。
ただし、多くの学校で言われるような「間違えた問題を貼るノート」とは違います。

私たちが作らせているのは、“思考カルテ”です。
1ページを4つに分けて記録します。

① 問題の内容(どんな問いだったか)
② 自分の答え(実際にどう考えて、どう答えたか)
③ 正しい考え方(本来の解き方・考え方の筋道)
④ ミスの理由・クセの分析(なぜ自分は間違えたのか/次にどう直すか)

特に大事なのが④です。
④は「今後どうするか」に直結する場所だからです。

例えばこんなふうに書きます。
・「問題文の“最も不適切なもの”をちゃんと読まずに“適切なもの”を選んでしまった。焦っていた。」
・「途中式の符号を写し間違えた。見直しの時間を取らずに次へ進んだ。」
・「前に似た問題をやった経験だけで決めつけた。条件の違いをチェックしていない。」

この短い自己診断によって、あなたの“クセ”がはっきりします。
そしてこのクセは、科目ごとではなく「あなた自身の考え方のパターン」として、どの科目にも顔を出します。

だから、誤答ノートは「弱い分野リスト」ではなく、思考の再教育の記録なのです。
これを続ける生徒は、明らかに“同じ間違いをしなくなる”スピードが速い。


◆4.ミスは「悪いもの」ではなく、「次の設計図」になる

多くの生徒は、ミスを「恥ずかしいもの」「消したいもの」と考えます。
でも、成績が上がる生徒ほど、ミスを「教材」にします。

一番危険なのは「根拠なく自信だけある状態」です。
これは、テスト本番で大崩れする典型パターンです。

逆に、
・どこでつまずくのかを分かっている
・どんなときに焦るのかを分かっている
・何を見落としやすいのかを分かっている
この状態にある生徒は、極めて安定して点数を出してきます。

つまり誤答分析とは、
**“次のテストでミスを繰り返さないための設計図づくり”**なのです。

勉強時間を増やすより先に、
この「ミスのパターンをつぶす設計図」を持てるかどうかが、受験では勝負になります。


◆5.誤答分析はメンタルも安定させる

これは意外に思われるかもしれませんが、
誤答分析をきちんとやる生徒は、メンタルも安定します。

なぜか。
自分の失点に「理由」がつくからです。

「なんでダメなんだろう。自分って向いてないのかな」
という曖昧な自己否定は、学力を止めます。

でも、
「自分は問題文を焦って読み飛ばすクセがある。次は最初の30秒で条件だけ線を引こう」
というように“行動の改善策”まで落ちていれば、失点は“克服できる課題”になります。

不安は「よく分からないもの」から生まれます。
誤答分析はその不安を「把握できる形」に変える作業でもあるのです。


◆6.まとめ:ミスは、叱るものではなく、使うもの

勉強で一番もったいないのは、
“ミスが放置されること”です。

間違いは、あなたの弱さではなく、あなたの伸びしろの場所を示しています。
そこには、あなたの考え方のクセ、読み方のクセ、焦り方のクセ、確認のクセ――
すべてが正直に表れています。

聡生館が大事にしているのは、
「ミスを叱ること」ではなく、
「ミスを次の設計図に変えること」。

誤答を直すというよりも、
誤答を“読み解く”。
それが、思考のデザインの第4ステップです。

点数だけを見て「良い/悪い」で終わらせる勉強は、もう終わりにしていい。
あなた自身の“考え方そのもの”を磨いていく学びへ。
それが、受験にも、その先の人生にもつながる、本当の「強さ」になります。

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