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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/10/27

    学びの深さは“問い”の深さで決まる ― 考えることから「自分の学び」が始まる ―

「先生、どうしてこうなるんですか?」
この一言を、私はとても大切にしています。
なぜなら、それがまさに“学びのはじまり”だからです。


■ 「質問できる」という才能

授業をしていて、よく思うことがあります。
分からないときに質問できる生徒と、できない生徒の違いはどこにあるのか。
もちろん、性格の違いもありますが、実はそれだけではありません。

“質問できる”というのは、知識が足りないことを自覚しているということ。
つまり、「自分はまだ知らない」と気づいている証拠です。
この“気づき”がある人は、必ず伸びていきます。

反対に、分からないまま放置してしまう人は、
「自分は分かっていない」という事実に気づいていないことが多い。
これを心理学では「無知の無知」と呼びます。
ここを越えるには、自分の中に「問い」を持つことが必要なのです。


■ “良い問い”は、考える力を引き出す

「なぜ?」という問いを立てること。
それは、思考を動かす最初のスイッチです。

たとえば数学で「どうやってこの答えを出すのか」と考える生徒よりも、
「なぜこの方法でなければいけないのか」と問う生徒の方が、
ずっと理解が深まります。

“やり方”を覚えるだけでは、知識はその場限り。
けれど、“理由”を考え始めた瞬間に、知識は構造として自分の中に根づきます。

歴史の勉強でも同じです。
「○○年に何が起きたか」だけでなく、
「なぜそのような出来事が起きたのか」
「その背景にあった人々の考え方は何だったのか」
――そうした問いを立てることで、出来事は“生きた学び”に変わります。


■ 「問い」は知識を深める“道しるべ”

学びというのは、山登りのようなものです。
知識を覚えることは、道具を手に入れること。
でも、どこへ向かうかを決めるのは「問い」です。

目的のない登山は、ただの散歩になってしまう。
学びも同じで、「なぜ自分はこの勉強をしているのか」が見えていないと、
どんなに努力しても、達成感が薄くなります。

たとえば受験勉強でも、
「点数を上げたい」という目標はあっても、
「なぜ上げたいのか」「何を得たいのか」という“問い”がなければ、
ただ問題を解くだけの毎日になります。

それよりも――
「この問題は何を問おうとしているのか」
「出題者は何を見抜こうとしているのか」
と考えるようになると、学びの世界がまったく違って見えてきます。

この瞬間から、勉強は「受け身」から「主体的」へと変わるのです。


■ “問い”は、あなた自身を映す鏡

面白いことに、人は自分の関心があることにしか問いを持てません。
「どうでもいい」と思っていることに対しては、
そもそも疑問が浮かばないのです。

だからこそ、「自分が何に心を動かされるか」を見つめることが、
学びを深める第一歩になります。

例えば英語の文法でも、
「なぜこの時制を使うのか」と感じた瞬間に、
その“違和感”が学びの入口になる。

世界史でも、ある人物や出来事に興味を持ったら、
「なぜこの人はこう行動したのか」
「自分ならどうしただろうか」
――そう考えるうちに、教科書の行間が急に広がっていく。

結局、“問い”とはあなたの心が反応した証拠なんです。
そこにこそ、あなた自身の学びの核心があります。


■ 聡生館で大切にしている「問い直す時間」

聡生館では、授業の終わりに必ず「問い直しの時間」を設けています。
今日の授業で何が分かって、何がまだ分かっていないのか。
それを自分の言葉で書き出してみるのです。

たとえば、

  • 今日の授業で一番面白かったことは?

  • 今日の学びで一番“引っかかった”ところは?

  • 明日、もう一度考えてみたいことは?

こうした小さな問いの積み重ねが、
学びを深くしていく“習慣”になります。

問い直す力は、すぐに答えを出す力よりも、はるかに重要です。
なぜなら、答えを見つけることよりも、
「何を問うか」が人の成長を決めるからです。


■ “問い”は、未来へのコンパス

AIの時代になり、検索すれば何でも答えが出るようになりました。
でも、だからこそ問われるのは――
「あなたは何を知りたいのか」「何を考えたいのか」ということです。

これからの時代、
“正しい答えを出す力”よりも
“良い問いを立てる力”が価値を持ちます。

問いは、未来の自分を導くコンパスです。
方向を見失いそうなときほど、
「自分はいま、何を問おうとしているのか」と立ち止まってみてください。

その問いがある限り、人は必ず前へ進めます。
学びとは、そういうものだと思うのです。


■ 結びに ― 「問い」は人生を豊かにする

最後に、私が好きな言葉をひとつ。

“The quality of your life is determined by the quality of your questions.”
― あなたの人生の質は、あなたの問いの質で決まる。

これはアメリカの教育哲学者の言葉です。
人生も学びも、結局は「どんな問いを持つか」で決まるのです。

「なぜ?」「どうして?」と自分に問いかけること。
その習慣が、学びを深くし、人生を豊かにしてくれます。

そしてその第一歩は、今日のあなたの小さな“疑問”から始まります。
どうかその小さな問いを大切にしてください。
それが、明日のあなたを育てる種になるのです。


🌙
by Dr.Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所・聡生館 代表)

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