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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/10/16

    🌱スプラウツメソッド④ 続ける力を育てる ― 習慣が“自信”をつくるスプラウツの支援

1.「やる気」は一瞬、「習慣」は一生

子どもたちを見ていると、最初の一歩を踏み出す瞬間は意外に多いことに気づきます。
「今日こそ宿題をやる」「明日から早起きする」「もうゲームはやめる」――
そう口にする瞬間、心には確かに“やる気”が灯っています。

けれど、三日後にはその火が消えてしまう。
これは特別なことではありません。大人であっても同じです。
問題は「やる気が続かない」ことではなく、やる気が消えても行動が続く仕組みができていないことにあります。

スプラウツが目指すのは、この“続ける力”を育てること。
それは単なる忍耐や我慢ではなく、安心と小さな達成感の積み重ねによって自然と形づくられるものです。


2.「できた!」の体験が習慣を育てる

習慣の芽は、「できた!」という体験からしか芽吹きません。
スプラウツでは、子どもが“できた”と実感できる課題設定をとても大切にしています。

たとえば、計算が苦手な子には、いきなり20問を課すのではなく、
「今日は3問できたね」と、成功の基準を小さく設定します。
“やれば終わる”という成功体験を繰り返すことで、脳内ではドーパミンが分泌され、
「やる=気持ちいい」「続ける=楽しい」という回路が強化されていくのです。

この心理的な成功体験の積み重ねこそが、意志ではなく脳の仕組みとしての継続を支える基盤になります。
努力を「気合い」で続けるのではなく、「気持ちよく続けられる」ように環境を設計する。
これが、スプラウツの支援における根幹の考え方です。


3.環境が変われば、行動も変わる

「続かない子ども」に共通するのは、本人の能力や性格ではなく、環境の設計ミスです。

たとえば、机の上が散らかっていると勉強が始められない。
タブレットやスマホが視界に入ると、つい手が伸びてしまう。
こうした「邪魔する刺激」が多いほど、脳は自制にエネルギーを使い、習慣化が難しくなります。

スプラウツでは、まず環境を整えるところから始めます。
・集中できる時間を見つける
・教材を一目で取り出せるようにする
・達成したことが視覚的に分かるチェックシートを使う

こうした「環境設計」を通して、子どもが自分の行動を“見える化”し、
「やればできた」「昨日よりできた」と感じられる流れを作っていきます。

環境を整えれば、行動は自然と変わります。
行動が変われば、自己イメージも変わります。
「自分は続けられる人だ」という自己認識が育つと、子どもは次の行動にも前向きになっていくのです。


4.“モチベーション”ではなく“メカニズム”で支える

私たちは、つい「どうすれば子どもがやる気を出すか」を考えがちです。
しかし実際には、“やる気”を待っていても動けません。

スプラウツでは、“モチベーション”ではなく“メカニズム”を重視します。
つまり、「気分が乗らなくてもできる仕組み」を作るのです。

・時間になったら自動的に始まるルーティン
・“終わったら○○できる”という報酬サイクル
・前回の記録を見て、自分の進歩がわかるようにする

こうした「行動の自動化」を促すと、感情の波に左右されずに続けることができます。
このとき重要なのは、本人が“自分で決めた”という感覚を持つことです。
自分で決めたルールは、自分で守る力を育てます。
スプラウツでは、支援者が決めるのではなく、子ども自身が「どうすればできるか」を一緒に考えます。


5.「続ける力」が育つとき、子どもは変わる

ある小学5年生の男の子は、最初は毎日の登校も宿題も続けられず、
「自分はだめだ」と何度も口にしていました。

スプラウツでは、まず“宿題をやる”ではなく、“机に向かう”を目標にしました。
その子が机に座って3分間鉛筆を持つだけで「よくできたね」と声をかけ、
少しずつ時間を伸ばしていきました。

3週間後、彼は「今日も3分やれた!」と笑顔で報告してくれるようになりました。
やがて10分、15分と伸びていき、半年後には毎日の学習が当たり前になっていました。

“続ける力”は、努力の総量ではなく、**自己効力感(self-efficacy)**を育てるプロセスです。
「やればできる」「続けられる」という自己信頼が芽生えたとき、
子どもはどんな困難にも立ち向かう勇気を持てるようになります。


6.支援者が寄り添う「リズム」

継続には、もう一つ大切な要素があります。
それは、支援者が子どもの“リズム”を見つけ、寄り添うことです。

子どもによって、集中できる時間帯やテンポはまったく異なります。
朝型の子もいれば、夜に静かになってから動ける子もいる。
一気にやるタイプもいれば、細かく区切る方が合うタイプもいる。

スプラウツの支援では、この“リズム”を尊重します。
「今日は少し疲れているから5分だけにしよう」
「昨日頑張ったから今日は休もう」
そんな柔軟さが、長く続けるための呼吸になります。

習慣は「毎日やること」ではなく、「やめずに続けられること」。
“続ける”とは、止まっても再開できるということです。


7.「続けられる子」が未来を切り拓く

AIがどれだけ進化しても、続ける力は人間にしか育てられない力です。
学びも、成長も、心の回復も、一夜にして手に入るものではありません。

スプラウツでは、「できる子」よりも「続けられる子」を育てたいと考えています。
続ける力は、やがて「やり抜く力(GRIT)」へと発展し、
人生のあらゆる場面で子どもを支える“根っこ”になります。

私たちは、子どもたちの中にその芽を見つけ、光と水を与えるだけ。
花を咲かせるのは、子ども自身の力です。


8.おわりに ― “続ける”は才能ではなく環境

「続けることが苦手」と感じる子は多いものです。
でも、それは能力の問題ではありません。
適切な環境と支援があれば、誰でも続けられる子になれる。

スプラウツは、そんな「続ける力」を育むための場所でありたいと思っています。
一人ひとりのペースに寄り添いながら、
“できた”という笑顔を、何度でも積み重ねていく――
その先に、子どもたちの未来が確かに広がっていきます。

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