
学力・人間力向上のためのブログ
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2025/10/13
🌕 聡生館メソッド第1回 「受験勉強を“人間教育”に変える ― 点数の向こうにある“成長”を見つめて」
はじめに ― 点数の先にあるもの
個別指導塾に通う多くの子どもたちは、「テストで何点取れるか」「どの高校・大学に合格できるか」という“結果”を目標に頑張っています。
けれど、私たち聡生館が30年以上にわたって見つめてきたのは、「結果の前にあるプロセス」こそが、子どもを大きく成長させるということです。
点数はあくまで一瞬のスナップショットにすぎません。
本当に大切なのは、その点数に至るまでの「思考の道筋」や「粘り強さ」「自己対話の習慣」です。
聡生館メソッドは、まさにこの“見えにくい学びの力”を可視化し、育てていく教育法です。
一つの事例 ― 「解けなかった問題ノート」から生まれた変化
ある中学2年生の生徒の話です。
彼は入塾当初、数学の小テストではいつも平均点前後。
「ケアレスミスが多い」「解き方は分かっているのに結果が出ない」と自分でも言っていました。
そこで聡生館では、彼に**“できなかった問題ノート”**を作ってもらいました。
ただ間違いを記録するだけではなく、「どこで考え方を止めてしまったのか」「なぜ間違えたのか」「次にどうすればいいか」を、毎回自分の言葉で書くことを課題にしました。
最初は数行しか書けなかった彼が、1か月ほど経つと「自分は途中で焦って確認を飛ばしていた」「見直しの時間を先に確保すればいい」と具体的な改善策を言葉にできるようになっていきました。
そして3か月後の定期テストでは、数学の点数が20点以上アップ。
それよりも大きな変化は、「自分の頭で考えることが楽しい」と言うようになったことでした。
“思考の主導権”を取り戻す学び
私たちはよく、生徒にこう問いかけます。
「その答え、本当に自分で考えたの?」
AIが発達し、答えを簡単に得られる時代だからこそ、**「考える主導権を自分が握ること」**が、これからの学びにおいて最も大切になります。
聡生館メソッドでは、講師が一方的に教えるのではなく、対話の中で「どうしてそう思うのか」「どこで迷ったのか」を掘り下げていきます。
子どもが“考える瞬間”を見逃さず、思考の筋肉を鍛える。
このプロセスが、受験だけでなく将来社会に出たときの「自分で問題を解決する力」に直結します。
「できる・できない」よりも「やり抜く力」
受験は、誰にとってもプレッシャーのかかるものです。
特に中学生・高校生にとって、結果に直結するテストは“自己評価”そのものに見えてしまうこともあります。
けれど、聡生館では**「できる・できない」よりも、「やり抜く姿勢」を大切に**しています。
ある生徒は、英語の長文読解が苦手でした。
模試では時間内に終わらず、半分も解けないこともありました。
しかし、本人が「途中で投げ出さない」「1日1題だけは必ず最後まで読む」と決めて継続した結果、3か月後には驚くほど読むスピードが上がりました。
「やり抜く力」は、一度育つと他の教科や人生の場面にも波及します。
これが“人間教育としての受験指導”の核心です。
私たちは、点数の上下に一喜一憂するのではなく、努力の軌跡を見てあげることを何より大切にしています。
「先生が変わった」のではなく、「自分が変わった」
聡生館では、あるタイミングで生徒自身が「自分が変わってきた」と気づく瞬間があります。
それは、成績表を見た時ではなく、授業中の“思考の瞬間”に現れます。
「前は分からないとすぐ聞いてたけど、今はもう少し自分で考えるようになった」
「前よりもノートの書き方が整理されてきた」
「失敗した時、すぐに投げ出さなくなった」
そうした小さな変化を積み重ねていくことが、真の意味での“成長”です。
子どもたちがその変化を実感できたとき、私たちは初めて「教える」ではなく「育てる」ことができたと言えます。
おわりに ― 聡生館メソッドが目指すもの
聡生館メソッドは、単なる勉強法ではありません。
それは、**「思考の力」×「人間力」×「習慣力」**の三つを一体として育てる教育の体系です。
私たちは、受験という限られた期間を“人格形成のステージ”ととらえ、
「結果」よりも「過程」を、
「合格」よりも「成長」を見つめます。
保護者の皆さまにお願いしたいのは、
どうかお子さまの“変わっていく過程”を一緒に見守ってほしいということです。
点数の上がり下がりの裏には、必ずその子の思考の跡があります。
それを見つめる眼差しこそが、家庭の中での最高の教育力になります。
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