
学力・人間力向上のためのブログ
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2025/08/30
「教科書は終えたのに数学の入試問題が解けない…小金井市の学習塾「聡生館」が解説する本当の理由と解決法」
なぜ、入試問題になると止まるのか(原因の整理)
同じ「終えた」でも、実は次のギャップが残りやすいのが実情です。
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理解の深さ不足(型依存)
例題は手順が明確。入試は「どの知識をどの場面で使うか」を自分で選ぶ必要がある。
→ 症状: 初手が出ない・途中で手が止まる・別解を語れない。 -
条件整理(言語→数式・図)力の不足
長文の条件を図や式に落とし込む“翻訳”が弱い。
→ 症状: 図を書かない/与件の抜け漏れ/式が行き当たりばったり。 -
解法選択の意思決定が弱い
持っている技(因数分解、相似、場合の数…)の「出しどころ」を判断できない。
→ 症状: 不要な計算に突っ込む/方針の変更ができない。 -
単元横断・融合演習の不足
入試は複数単元が絡む。基礎は単元別なので、橋渡し演習がないと崩れる。
→ 症状: 単元ごとなら解けるが、融合だと崩壊。 -
復習設計の欠陥(1回転で満足)
「わかったつもり」で次へ。想起練習・間隔反復・誤り分析がない。
→ 症状: 同型なのに再発ミス/数日後には手順を忘れる。
まず行う“可視化”診断(5分×4問)
授業や家庭学習で、次のチェックを取り入れてください。原因が浮き彫りになります。
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初手宣言:「最初の1分で“方針”だけ声に出して説明」
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条件→図式化:与件を箇条書き→図・表・数式へ翻訳
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別解チャレンジ:可能なら第2の方針も言語化
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セルフ採点:点が動く採点基準(途中式・方針点)で自己採点
※「手を動かす前に“考えを言語化”」する習慣が鍵です。
聡生館の“橋渡しメソッド”5ステップ
入試で戦える思考体力を、手順ではなく“意思決定”で伸ばします。
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条件分解 → 図式化
文章を「事実・関係・求めたい量」に分解→図・表・式へ即時変換。 -
戦略選択(ヒューリスティック)
「この形なら〇〇で攻める」という“初手辞書”を一緒に作成。
(例:比・相似が見えたら補助線/座標化で置き換え…) -
実行の見通し管理
“行き先の式”を先に想像(ゴール設計)→不要計算を排除。 -
誤りの構造分析(エラーノート)
「どこで」「なぜ」誤ったかを分類(読み違い/作図不足/計算法選択ミス/凡ミス)。
再発防止ルールを1行で添える。 -
再現性テスト(口頭→筆記)
口頭で解法説明→翌日・3日後・1週間後に短時間再解。
“説明できる=使える”の確認を時間差で。
1週間の実践プラン(例:中3・高1向け)
所要:1.5〜2時間/日(平日60–80分、休日90–120分)
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Day1:基礎復習+橋渡しドリル(30分+30分)
単元Aの要点→入試準拠の短問で“初手宣言”練習 -
Day2:融合小セット(60分)
A×Bの小問×3。各問で条件→図式化→戦略選択→実行→自己採点 -
Day3:弱点特化(45–60分)
エラーノートの頻出原因を潰す(図の精度/計算手順テンプレなど) -
Day4:時短練習(45–60分)
“方針を30秒で言う→3分で骨組み作成”の素振り -
Day5:過去問ライト(60–80分)
本番形式で2問。配点意識の自己採点→“取りこぼしの理由”を言語化 -
Day6:別解・汎化(60–90分)
過去問を別道で再現/数値や条件を変えても通用するかチェック -
Day7:総復習(60–90分)
Day1–6の“口頭再現”→間隔反復(翌日・3日後・7日後)を次週計画に反映
ルール:毎日「初手宣言」「条件→図式化」「自己採点」「エラーノート」を固定化。
家庭でできる支援(質問テンプレ)
点数や量ではなく、“思考プロセス”をほめる・問う姿勢が効果的です。
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「最初にどう攻めようと決めたの?」
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「文章の条件を3行で言うと?」
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「図に写した“根拠”は何?」
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「ほかのやり方もありそう?」
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「次に同タイプが出たら、最初の30秒で何をする?」
よくある誤解と対策
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誤解:「難問をやれば強くなる」
→ 対策:頻出“標準〜やや難”の再現性を極める方が得点効率が高い。 -
誤解:「量を増やせば伸びる」
→ 対策:エラーノート×間隔反復で“同じミスを二度しない”仕組みを。 -
誤解:「解説を読めば理解は完了」
→ 対策:翌日“口頭で説明→白紙復元”ができて初めて定着。
推奨ツール(紙でも可)
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思考ログ用A4:条件抜き出し・図・初手・別解欄を固定レイアウト化
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エラーノート:原因タグ(読解/図/選択/計算/ケアレス)+再発防止1行
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30秒タイマー:初手宣言の“型”を身体化
聡生館の指導はここが違う
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“条件→図→戦略”の口頭訓練で、最初の1分の質を劇的に向上
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単元横断ミニ演習で橋渡しを計画的に構築
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**再現性チェック(口頭→筆記→時間差)**で“使える理解”だけを増やす
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エラーノート運用で同ミスの再発率を下げ、得点の安定化を実現
「解けた!」が偶然ではなく“再現可能”になるまで伴走します。
まとめ(保護者の方へ)
入試で解けないのは、才能ではなく“橋渡し”の不足です。
初手の質/条件整理/解法選択/融合対応/復習設計を整えれば、点は安定して伸びます。ご家庭では“思考を言語化する質問”でサポートしていただければ十分です。
聡生館では、一人ひとりの弱点構造に合わせて、上記ステップを週単位で設計します。
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