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2025/12/09
スプラウツ
**不登校の冬休みをどう過ごすか ―「変化の種」をそっと育てるために**

冬休みは、学校へ行っている子どもたちにとって「年末年始の休暇」であり、
不登校の生徒にとっては、生活がいつもとあまり変わらない長期休みでもあります。

「冬休みになっても何も変わらない」
「また気づいたら休みが終わってしまった」

多くの保護者の方から、このような声が届きます。
しかし、私はいつもこうお伝えします。

“変わらない冬休み” のように見える中にも、
ほんの小さな “変化の種” を忍ばせることはできる。

今日は、不登校のお子さんが冬休みをより穏やかに、
そして小さな前進を感じられる形で過ごすための視点をまとめてみたいと思います。


■1|「変わらない」ことは悪いことではない

不登校の子どもたちは、日々の生活そのものが
“心が戦っている状態” の連続です。

学校へ行けないことへの罪悪感、
「また休んでしまった」という気持ち、
周りと比べてしまう焦り。

冬休みになると、
周囲の子どもたちは「楽しく遊んでいる」ように見え、
本人はますます自分を責めがちです。

しかし実は、
何も変わらない日々を過ごせるということは、
心がすでに安定に向かっている証拠です。

冬休みにまず大切なのは、
“現状維持を肯定すること”。
そこからすべてが始まります。


■2|冬休みは「心が緩む」絶好のタイミング

学校がない冬休みは、
子どもにとって プレッシャーから完全に離れられる期間 です。

学校のチャイムも、クラスの視線も、
周囲の「行けて当たり前」という空気もありません。

この環境は、不登校の子どもにとって
「心の筋肉を休める時間」になります。

焦って行動を促すより、
まずは 心の緊張が溶けること を大切にしてください。

心が緩むと、
変化に向かうエネルギーが自然と湧いてきます。


■3|とはいえ、“ほんの少しの変化” は必要

しかし、ただ時間が過ぎていくだけの冬休みは、
本人の自己肯定感を下げてしまうこともあります。

そこで、スプラウツでは保護者の方へ
「小さな変化の仕掛け」 を提案しています。

それは決して大きなものではなく、
負担の少ない、小さな“起点”づくりです。

例えば……

●1.時間の区切りをほんの少しつくる

「午前中に必ず何か一つだけやってみる」
ゲームでも、料理でも、読書でも構いません。
“自分で選んで行動する” のが大切です。

●2.いつもと違う場所で過ごしてみる

・窓際で日光を浴びながら本を読む
・リビングで少しだけ一緒に作業する
・近所を5分だけ散歩する

場所を変えると気分も変わります。
脳の神経回路が刺激され、行動スイッチが入りやすくなります。

●3.小さな「できた」を一つ積む

不登校生は自己否定が強くなりがちですが、
5分の行動でも「できた」に変わります。

・プリントを1枚だけやってみた
・机の上を5分だけ片づけた
・料理を一緒に手伝った

これらはすべて“前進”です。


■4|冬休みの「家族の関わり方」が最重要

不登校中の冬休みでは、
家族の関わり方が子どもの状態に大きな影響を与えます。

スプラウツに寄せられる多くの相談では、
保護者の方が「何かしなくては」と焦るあまり、
子どもが緊張してしまうケースが見られます。

冬休みに守ってほしい3つの関わり方があります。

1)指示をしすぎない

「〇〇しなさい」ではなく、
「どうしたい?」と選択肢を渡す

2)成果ではなく“関わった姿勢”を認める

たとえ5分の行動でも、必ず言葉で伝える。
「やってみたんだね、すごいね」と。

3)感情を先に受け止める

行動より先に、
「そう感じるよね」 を伝えると、
心の防御が下がり、行動が出やすくなります。


■5|冬休みだからこそできる未来への準備

冬休みは短い期間ですが、
この時期に「心のリズムを整える」ことができれば、
年明けのスタートが大きく変わります。

●スプラウツで実践している冬のサポート

・外に出られない子への“オンライン面談”
・外へ行くのが怖い子への“玄関での短時間サポート”
・やる気が出ない日の“伴走型支援”
・自己肯定感が下がっている子への“成功体験の設計”

“学校に戻ること”を急がせるのではなく、
その子が戻りたいと思ったときに歩ける力を育てる。
これを冬休みの大切なテーマとしています。


■6|冬休みは「変化が始まる静かな季節」

不登校の子どもは、
表面的には動けていなくても、
心の中では静かに変化が起きています。

冬休みはその変化が芽を出す準備期間です。

焦らせる必要はありません。
でも、諦める必要もありません。

ほんの少しだけ、
昨日とは違う行動を見つけること。

その積み重ねが、
春に向かうエネルギーを確実につくっていきます。


■終章|この冬休みを「自分を取り戻す時間」に

冬休みは、不登校の子にとって“リセットの時間”です。
ゆっくり休みながら、
少しだけ未来に向けて準備ができたら十分です。

お子さんが
「今日、ちょっとだけできた」
と思える日が一つでもあれば、
それは確かな成長です。

スプラウツでは、この冬も
お子さんの“心の温度”を守りながら
一歩一歩伴走していきます。

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