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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/10/09

    シリーズ第4回 つまずきの背景を探る ― 記憶・集中・理解を支える脳科学的支援

「集中できない」「覚えたはずなのにテストで出てこない」「理解したつもりがすぐ忘れる」
――そんな悩みを抱える子どもたちは少なくありません。

しかし、その多くは“努力不足”ではなく、脳の働き方の違いによるものです。
聡生館では、脳科学の知見を取り入れた学習支援を通して、
記憶・集中・理解の3つを科学的にサポートしています。


◆ 記憶の仕組みを知れば、勉強はもっと効率化できる

人間の記憶は「短期記憶」から「長期記憶」へと移動する際に、意味づけと感情が大きく関わります。
心理学者アトキンソンとシフリン(Atkinson & Shiffrin, 1968)は、
記憶は「感覚記憶 → 短期記憶 → 長期記憶」という経路を通過し、
繰り返し思い出される情報ほど定着すると示しました。

また、神経科学者エリック・カンデル(Kandel, 2000)は、
「記憶の固定化には神経細胞のシナプス強化が必要であり、
“想起(思い出す行為)”の反復がシナプスを変化させる」と明らかにしました。

聡生館では、この理論を踏まえ、
授業翌日の「10分復習」を習慣化させています。
学んだ翌日に一度だけ振り返ることで、記憶は長期化し、定着率が大幅に向上します。

さらに、暗記を“意味づけ”と結びつける指導を重視しています。
英単語を語源や文脈とセットで覚える、歴史の出来事を社会背景とつなげるなど、
「知識のネットワーク」を脳内に構築することで、忘れにくい記憶が形成されます。


◆ 集中力は意志ではなく、環境でつくられる

「集中できない子」は、意志が弱いのではありません。
脳の前頭前野が、外部刺激によって注意資源を奪われているのです。

ハーバード大学のジョン・レイティ(Ratey, 2008)は、
「集中とは、前頭前野と報酬系ドーパミンの適切なバランスによって保たれる」と述べています。
スマートフォンや雑音などの刺激は、このバランスを崩し、脳の注意を分散させてしまいます。

聡生館では、集中しやすい「認知的静寂(Cognitive Calm)」を意識した教室設計を行っています。
照明・音・机の配置まで最適化し、脳が安心して課題に向かえる空間を整備。
また、90分の授業を20分単位で区切り、脳の「集中リズム」に合わせて切り替えを行っています。

こうした科学的アプローチによって、集中力が自然に持続し、
「頑張らなくても集中できる」状態をつくり出しています。


◆ 理解を支えるのは「感情の安定」

理解力の低下には、感情の乱れが大きく関わっています。
脳の扁桃体(Amygdala)は、不安や恐怖を処理する領域ですが、
この活動が強くなると、記憶を司る海馬(Hippocampus)の働きを抑制してしまうことが知られています
(LeDoux, 1996)。

つまり、焦りや緊張が強い状態では、学んでも定着しにくいのです。

聡生館では、まず「安心して間違えられる環境」を整えることを最優先にしています。
そして、あえて“できる問題”から入り、小さな成功体験を積み重ねることで、
脳内に「成功の記憶」を増やしていきます。

スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック(Dweck, 2006)が提唱する
“成長マインドセット(Growth Mindset)”
「失敗は成長の途中である」という考え方は、
この成功体験の積み重ねによって強化されます。


◆ 「脳の仕組み」を味方にすれば、誰でも伸びる

スタンフォード大学の神経科学者ジョー・ボラー(Boaler, 2019)は、
「失敗の経験は神経回路の成長を促す」と述べています。
間違いを分析し、考え方を修正することが、脳の可塑性(Plasticity)を最大限に活かす方法です。

聡生館の授業では、こうした知見を取り入れ、

  • 記憶を定着させる復習リズム

  • 集中を維持する環境デザイン

  • 感情の安定を支える成功体験設計
    を三位一体で支援しています。

「努力しているのに成果が出ない」という子ほど、
正しい“脳の使い方”を身につけることで劇的に変わります。


◆ おわりに

脳科学が示すのは、「できない」には必ず理由があるということです。
その理由を理解し、脳に合った方法で学ぶことができれば、
どんな子でも必ず伸びる――聡生館はその信念のもとに、
一人ひとりの“学びの脳”に寄り添う教育を続けています。

📘 小金井市で30年以上、
科学的根拠に基づく個別指導で、子どもたちの学びを支える聡生館。
記憶・集中・理解を育む“脳に優しい学び方”を、今日も教室で実践しています。


📚 参考文献

  1. Atkinson, R. C., & Shiffrin, R. M. (1968). Human Memory: A Proposed System and Its Control Processes.

  2. Kandel, E. R. (2000). Principles of Neural Science. McGraw-Hill.

  3. LeDoux, J. (1996). The Emotional Brain. Simon & Schuster.

  4. Dweck, C. (2006). Mindset: The New Psychology of Success. Random House.

  5. Ratey, J. J. (2008). Spark: The Revolutionary New Science of Exercise and the Brain. Little, Brown.

  6. Boaler, J. (2019). Limitless Mind: Learn, Lead, and Live Without Barriers. HarperOne.

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