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学力・人間力向上のためのブログ

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  • 2025/09/21

    「何のために勉強するのか」にどう答えるか、哲学者の言葉を引用して回答してみました。

子どもたちから「勉強って、何のためにするの?」と問われることがあります。大人から見れば当たり前のことでも、子どもにとっては切実な疑問です。宿題に追われ、テストに臨み、時にはつまずきながら「どうしてこんなことをしなきゃいけないの?」と感じる瞬間は誰にでもあるでしょう。

この問いに対して、保護者の方がどのように答えるかはとても大切です。単に「将来のためだから」「いい学校に行くためだから」とだけ言ってしまうと、子どもは納得できず、むしろ心を閉ざしてしまうかもしれません。そこで、少し視点を広げて、哲学者たちの言葉を借りながら考えてみたいと思います。

まず、古代ギリシャの哲学者アリストテレスは「人間は生まれながらにして知を求める存在である」と言いました。勉強するのは「誰かに強制されるから」ではなく、「人間である以上、知りたいと願う心があるから」なのです。小さな子どもが「どうして?」「なぜ?」と繰り返し質問するのは、その証拠です。学びは人間の本性に根ざした営みだといえるでしょう。

また、ドイツの哲学者カントは「教育とは、人間を人間たらしめるものである」と述べました。つまり、教育や学びは、子どもがただ大人に従順になるための訓練ではなく、真に人間らしく、自立して生きていく力を育むものなのです。勉強は、子どもが「自分の頭で考え、判断し、責任をもって行動できる人間」になるための基盤といえます。

 フランスの哲学者パスカルは「人間は考える葦である」と語りました。自然界では弱い存在である人間が、それでも尊厳を持ち得るのは「考える力」があるからです。勉強とは、この「考える力」を鍛えることにほかなりません。テストの点数や進学だけでなく、人生で困難に直面したときに「どう乗り越えるか」を見出す力、他者の思いを想像する力、社会に役立つ知恵を生み出す力──それらを養うのが勉強なのです。

さらに、現代の哲学者ユルゲン・ハーバーマスは「対話こそが人間を人間にする」と言いました。勉強することによって語彙や知識を増やし、論理的に考える力を持つことは、他者との対話を深め、互いを理解し合うために欠かせません。子どもが学びを重ねることで、自分の意見を持ちながらも他人を尊重できるようになれば、それは社会をより良くする力へとつながります。

ここで大切なのは、保護者の方自身が「勉強はテストのためだけではない」という姿勢を伝えることです。もちろん、受験や成績は目に見える成果として重要です。しかし、その奥にある「人間として成長するための営み」という意味を、ぜひ子どもに語りかけていただきたいのです。

「勉強は、君が自分らしく生きる力を育てるためのものだよ」
「知識や考える力は、誰にも奪われない財産なんだよ」

そんな言葉を繰り返し伝えることで、子どもは少しずつ「勉強の意味」を自分の中に取り込んでいくでしょう。

最後に、イギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミルの言葉を紹介します。彼は「教育の目的は、可能な限り自分で考え、判断する人を育てることである」と述べました。つまり、勉強とは「自分の人生を自分の力で切り拓く準備」なのです。

子どもたちが「何のために勉強するの?」と尋ねてきたとき、ぜひ哲学者たちのこうした言葉を背景に、優しく語りかけてみてください。その瞬間が、子どもにとって学びの意味を知る大切な出発点となるのです。

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