
学力・人間力向上のためのブログ
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2025/08/24
小さな一歩が大きな自信に――未就学児の療育の現場から
今日も一人のお子さんが、絵カードを使ったやり取りに挑戦しました。その子は、言葉で自分の思いを伝えることがまだ難しく、普段は周囲にうまく要求を伝えられずに困ってしまうことが多くありました。最初は「伝えたいのに伝わらない」というもどかしさから、少し表情も曇っていました。しかし、スタッフと一緒に繰り返しカードを選び、指差す練習を重ねるうちに、少しずつ「これがやりたい!」という気持ちを表せるようになってきたのです。
その瞬間、お子さんの顔にぱっと笑顔が広がりました。「伝わった!」「わかってもらえた!」という経験が、子どもにとってどれほど大きな喜びか、私たちスタッフも胸が熱くなる場面でした。
保護者の方にとっては、こうした変化は「小さなこと」に見えるかもしれません。しかし実際には、その小さな一歩が次の行動につながり、やがて大きな成長へと発展していきます。言葉で伝えられるようになる、友だちと関わることが楽しくなる、自分の気持ちをコントロールできる――どれも最初はほんのわずかなきっかけから始まるのです。
療育の現場では、「一度でできるようになる」ことよりも、「繰り返し挑戦できる」ことを大切にしています。失敗しても安心できる環境があるからこそ、子どもたちは安心してトライし続けることができます。スプラウツでは、子どもが安心して挑戦できる場を整えること、そして挑戦を見守りながら適切に支援していくことを、日々の実践の中心に据えています。
また、ご家庭でもできる小さな工夫があります。例えば、「言葉が出にくいお子さん」には、身近なカードや絵本を使って「これかな?」「これがいい?」と選ばせてあげることで、自分の気持ちを伝える練習になります。大切なのは「失敗しても大丈夫」という雰囲気を保つこと。うまく伝えられた時には、ぜひ「わかったよ!」「伝えられてすごいね」と笑顔で応えてあげてください。それが次の挑戦への原動力になります。
私たちは、子どもたち一人ひとりの特性やペースに寄り添いながら、「できた!」という喜びを積み重ねていけるよう支援しています。未就学児期は、自己肯定感や社会性の基盤をつくるとても大切な時期です。その大切な時期に、安心できる場で経験を積むことが、将来の学びや人との関わりの力につながっていきます。
これからもスプラウツは、一つひとつの小さな成長を見逃さず、子どもたちの未来につながる「大きな自信」に育てていきたいと考えています。
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