
新学期が始まり、少しずつ日常が戻ってくる頃です。その一方で、朝になると支度が進まない、学校の話をすると黙り込む、寝る前に「明日は行きたくない」と言う。そんなお子さんの変化に、戸惑っているご家庭もあるのではないでしょうか。
「夏休み中は元気だったのに、どうして?」
「ここで休ませたら、そのまま行けなくなるのでは」
「勉強が遅れてしまわないだろうか」
保護者の方が心配になるのは、お子さんの将来を大切に思っているからです。
小金井市前原町のフリースクール・スプラウツでは、登校しぶりや不登校への支援を考えるとき、子どもが安心して気持ちを伝えられること、そして、その子に合った形で学びや人とのつながりを支えることを大切にしています。
「学校に行きたくない」と言われた朝、家庭ではどのように関わればよいのでしょうか。
最初のひと言は、「話してくれてありがとう」
子どもから「学校に行きたくない」と言われると、つい「どうして?」「昨日は行くと言っていたでしょう」と理由や説明を求めたくなります。
しかし、子ども自身も、自分が何に困っているのか整理できていないことがあります。友達との関係、授業の難しさ、教室の騒がしさ、失敗への不安など、いくつもの負担が重なっている場合もあります。
まずは、短い言葉で受け止めてみてください。
「学校に行くのがつらいんだね」
「話してくれてありがとう」
「今すぐうまく説明できなくても大丈夫だよ」
気持ちを受け止めることは、その場ですべての方針を決めることではありません。子どもが「困ったときには話してよい」と感じられる、対話の入り口をつくることです。
保護者が慌ててしまった日も、後から「今朝は驚いて、強く言ってしまったね。もう一度聞かせてね」と伝えることができます。一度の対応で、すべてが決まるわけではありません。
朝は問い詰めず、落ち着いた時間に一つずつ聞く
出勤や登校の時間が迫る朝は、大人にも子どもにも余裕がありません。その場で原因を突き止め、解決策まで決めようとすると、やり取りが苦しくなりがちです。
朝は体調と安全を確認し、学校への連絡など、その日に必要な対応を進めます。詳しい話は、本人が少し落ち着いてからにしましょう。
その際も、質問を続けるより、一つ聞いて待つことを意識します。
「学校で、いちばん疲れるのはどんな時間?」
「少し安心できる場所や先生はいる?」
「明日のことを考えると、何がいちばん気になる?」
話すことが難しければ、紙に書く、選択肢を指さすといった方法でも構いません。「今は話したくない」という答えも受け止めます。
また、学校への共有についても、「先生に伝えてよいことはどこまでかな」と確かめると、本人の安心につながります。ただし、いじめや暴力など、安全に関わることは、大人が責任を持って対応する必要があります。
「行けたか」だけでなく、負担のかかり方を見る
家庭で見ておきたいのは、登校できたかどうかに加え、その前後のお子さんの様子です。
例えば、次のような変化を、分かる範囲で短く記録してみてください。
- 前夜の眠りや、朝の食欲・体調
- つらさが強くなる曜日、授業、行事
- 帰宅後の疲れ方や、翌朝までの回復の様子
- 安心して過ごせた場面や、楽しめた活動
登校できた日でも、帰宅後に疲れ切っているなら、負担の調整が必要かもしれません。一方、休んだ日に会話が増えたり、好きなことに取り組めたりする様子は、どのような環境なら安心できるかを考える手がかりになります。
家で笑ったりゲームをしたりしていても、それだけで学校でのつらさがないとは判断できません。
腹痛や頭痛などがある場合も、最初から気持ちの問題と決めつけず、症状が続く、強い、生活に支障があるときは、医療機関に相談しましょう。
休む日は、安心できる過ごし方を一緒に考える
「休ませてもよいのでしょうか」という迷いに、どの子にも当てはまる一つの答えはありません。本人の状態や学校で起きていることを踏まえ、学校や相談先と考えていくことが大切です。
文部科学省も、不登校支援では登校という結果だけを目標にせず、子どもが自分の進路を主体的に考え、社会的に自立していくことを目指すとしています。また、休養の意味を認めながら、学習や進路への支援も大切にする考え方を示しています。文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」
休むことになった日は、「休んだ分、勉強を全部終わらせなさい」と課題を一気に増やすより、まず、その日の状態に合った過ごし方を相談しましょう。
食事を取る、カーテンを開ける、余裕があれば少し外の空気に触れる。学習に向かえそうなら、好きな本を読む、算数を一問だけ解く。それも一つの過ごし方です。
休養が必要な日は、学習を急がなくて構いません。「明日は必ず行く」と約束させることよりも、今日の様子を確かめ、次に必要な支えを考えていきます。
学校には、「困っている場面」と「相談したいこと」を伝える
登校しぶりが続くときは、家庭だけで抱えず、早い段階で学校に相談してください。
「学校に行きたがりません」という説明に、具体的な様子を添えると、対応を話し合いやすくなります。
例えば、次のような伝え方です。
「新学期から、前夜に不安を訴え、朝の支度が止まっています。本人は教室に入る時間がつらいと話しています。安心して過ごせる場所や、登校時間の調整について相談したいです」
学校の体制に応じて、別室で過ごす、時間をずらす、課題の量を調整する、安心できる先生と会うなどの方法を検討できます。担任の先生に加え、養護教諭やスクールカウンセラーなどとつながることも考えられます。
ただし、大人同士で決めた方法をそのまま本人に求めると、新たな負担になることがあります。「それなら少し試せそう」と思えるかを確かめ、難しかったときには見直せるようにしておきましょう。
学び直しは、「今できるところ」から始める
学校を休む日が増えると、勉強の遅れが気になるのは自然なことです。子ども自身も、「分からなくなったらどうしよう」と心配しているかもしれません。
学習を再開するときは、休んだ分をまとめて取り戻そうとするより、今の理解と気力に合う課題から始めることを、スプラウツでは大切にしています。
算数なら、つまずいたところまで戻って一問を理解する。国語なら、短い文章を一緒に読み、内容を話してみる。理科や工作が好きな子なら、作ったものや気づいたことを自学ノートに残す方法もあります。
「これなら分かる」「もう少しやってみたい」という経験を重ねながら、その子に合う学習量を探していきます。
発達特性による困りごとがある場合には、音や集団の負担、指示の分かりやすさ、課題量などにも目を向けます。一人ひとりの困り方を具体的に見ることが、学習支援の出発点です。
小金井市で、登校しぶりや学びの相談先を探している保護者へ
保護者の方も、「自分の育て方が悪かったのでは」と、一人で責任を背負う必要はありません。背景はさまざまであり、家庭だけでは変えにくい環境もあります。
小金井市・武蔵小金井周辺でフリースクールを探す保護者の方へ。前原町のスプラウツは、不登校や登校しぶりのあるお子さんの学び直しと、一人ひとりの理解や発達特性に応じた学習支援を大切にしています。
代表の乙幡和重が、お子さんの理解の状態や興味に目を向け、算数・国語の学習、理科実験やロボット製作などを通して、学ぶきっかけを一緒に考えていきます。
学校とのつながりを保ちながら、家庭以外にも安心して相談できる相手や、学べる場所を持つこと。それは、お子さんにも保護者の方にも支えになります。
「学校に行きたくない」という言葉を、これからの過ごし方を一緒に考える入り口にしていきましょう。
まずは、「話してくれてありがとう。どうしたら少し楽になるか、一緒に考えよう」。
そのひと言から始めてみてください。
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