> 「先生、今日、ここまでできた!」
スプラウツの教室では、そんな声がよく聞こえます。
子どもたちの“できた”の瞬間には、
努力と勇気、そして“自分を信じてみた一歩”が込められています。
“できた”という言葉は、
たった三文字でも、子どもの心を大きく変える力を持っています。
“できた”の裏にある小さな挑戦
スプラウツに通う子どもたちは、
それぞれ違う背景や歩みをもっています。
不登校だったり、発達の特性を持っていたり、
勉強が苦手で自信をなくしていたり。
でも、どんな子どもも「できた」という言葉を言う瞬間だけは、
目の奥がキラッと光ります。
その一言の裏には、
「もう一度やってみよう」「今度こそは」という挑戦があるのです。
できた結果よりも、その挑戦の心の方が、ずっと価値があります。
“できない”が“できた”に変わるとき
スプラウツの教室では、
「わからない」「難しい」と感じていた問題を、
少しずつ分けて、一緒に考えていきます。
たとえば、算数が苦手な子に「この1問だけやってみよう」と声をかけ、
できた瞬間に「ここまでできたね!」と伝える。
その小さな一歩が、“できない”という思い込みをほどいていきます。
“できた”という言葉が増えていくと、
子どもの中に「自分でもやれるかもしれない」という希望が芽生えます。
そして、もう一歩進んでみようという意欲が生まれるのです。
「認めてもらえた」経験が自信になる
人は、誰かに認めてもらったときに自信を持ちます。
子どもたちも同じです。
大人から「よく頑張ったね」「ここまでできたね」と言われた瞬間、
その言葉が心の支えになります。
スプラウツでは、結果だけでなく、
“取り組む姿勢”や“努力の過程”を丁寧に認めます。
「前より集中できたね」
「最後までやり切ったね」
その言葉が積み重なって、子どもたちの中に
“自分を信じる力”が根づいていくのです。
成功体験は「自己肯定感」を育てる
“できた”という経験が増えると、
子どもは少しずつ「自分が好き」になっていきます。
これが、自己肯定感の始まりです。
自己肯定感とは、
「うまくいかなくても、自分には価値がある」と思える心。
この心があると、失敗しても立ち直る力が生まれます。
だからこそ、スプラウツでは
「できたことを増やすこと」よりも、
「できたと感じられる瞬間を大切にする」ことを重視しています。
“できた”が増えると、世界の見え方が変わる
“できない”と思っていた子が“できた”を積み重ねていくと、
表情や言葉が変わっていきます。
「先生、次はここもやってみたい」
「今度は自分で調べてみる」
そうやって、子どもたちは自ら動き出すようになります。
学びへの意欲が戻ると、
世界が少しずつ“怖い場所”から“楽しい場所”に変わっていくのです。
すべての“できた”が未来につながる
“できた”という言葉の中には、
「自分を信じて一歩踏み出した」証があります。
それはどんなに小さなことでも、確かな成長の印です。
スプラウツでは、今日も子どもたちの小さな「できた」を
一緒に見つけ、喜び合っています。
“できた”が増えるたびに、
子どもたちの心の中にある世界が広がっていく。
その姿を、私たちは何よりの希望として見つめています。
by Dr.Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所/Sprouts フリースクール代表)
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