>はじめに
朝、子どもが学校に行こうとするとき、
「今日は行きたくない」と小さな声でつぶやく。
そんなとき、親としてどう言葉をかければいいのか、
戸惑った経験のある方も多いのではないでしょうか。
「なぜうちの子だけ……」
「どうして頑張れないの?」
そう思う気持ちは当然です。
しかし、子どもの心の中では、
“頑張りたいのに、動けない”という葛藤が静かに渦巻いています。
その葛藤をほどく鍵こそが、
——「安心」なのです。
“安心”が生まれると、学びが動き出す
スプラウツでは、子どもたちの“学び”よりも先に、
**「安心できる環境づくり」**を何よりも重視しています。
心理学では、**安全基地(secure base)**という言葉があります。
これは、子どもが安心して自分を表現できる場所、
たとえ失敗しても受け止めてもらえる関係のことです。
この安全基地があることで、子どもは初めて「挑戦」する勇気を持ちます。
逆に言えば、安心が欠けている状態では、
どれほど勉強のやり方を教えても、心が前を向くことはありません。
不登校や発達特性のある子どもたちは、
この「安心の土台」が一度崩れてしまった経験を持っています。
だからこそ、再び立ち上がるには、
“安心を取り戻す”ことから始める必要があるのです。
スプラウツメソッド�@:「関係性の安心」をつくる
スプラウツでは、子どもが教室に入った瞬間から、
**「緊張を解く空気」**を大切にしています。
たとえば、初めて来た日には無理に話しかけません。
ただそっと見守る。
視線や距離、声のトーン——
そうした小さな配慮の積み重ねが、
子どもの中に「ここは安全だ」という感覚を芽生えさせます。
そのうえで、スタッフは一人ひとりの表情・しぐさ・言葉を観察しながら、
ゆっくりと信頼の糸をつむいでいきます。
安心の基盤ができると、
子どもは少しずつ“動き”を見せ始めます。
席に座って絵を描いたり、ブロックを並べたり——。
それが「再び世界と関わり始める」最初のサインです。
「安心」は“教える”ではなく“感じてもらう”もの
教育の現場では、「励ます」「褒める」「導く」という言葉がよく使われます。
けれど、スプラウツで大切にしているのは、
**「待つ」「寄り添う」「受け止める」**という姿勢です。
安心は言葉ではなく、
空気・まなざし・関わり方の中で伝わります。
子どもが「ここにいてもいい」と感じられたとき、
初めて“学びたい”という自然な欲求が生まれるのです。
おわりに
安心は、目には見えないけれど、
すべての学びと成長の“根っこ”です。
スプラウツメソッドの第一歩は、
「教える」よりも前に「安心を育てる」。
この根っこがしっかり根づいたとき、
子どもたちは自らの力で未来を描き始めます。
スプラウツは、子どもたちの“安心”から始まる学びを支えます。
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