
1.「あと1ヶ月しかない…」その気持ちの正体
11月も後半に入り、生徒たちからこんな言葉が増えてきました。
「先生、何か焦ります…」
「今から間に合いますか…?」
冬は近づいてくる。
模試も重なる。
学校の行事もある。
そして気持ちばかりが先へ先へと急いでしまう。
焦りとは“やらなければいけないことが分かっているのに、手がつけられていない状態”。
つまり、**「やる気はあるのに、動けない」**という、とても人間らしい心の反応です。
私は生徒にこう話します。
「焦っているってことは、ちゃんと未来を見ている証拠だよ。」
焦りは弱さではありません。
未来への感度が高いからこそ生まれる“サイン”なのです。
2.焦りが引き起こす“3つの心のノイズ”
焦りを感じているとき、脳の中では次のような変化が起きています。
-
思考の散乱
やるべきことが多く見えて、何から手をつけていいか分からなくなる。 -
感情の過剰反応
「できないかもしれない」と不安が増幅する。 -
集中の低下
心が落ち着かず、目の前の課題にアクセスできない。
つまり焦りとは、「やる気はあるのに効率が落ちる状態」。
そのまま放置すると、“勉強が嫌になる悪循環”に入ってしまうのです。
3.焦りを“行動”に変える3ステップ
焦りをなくす必要はありません。
大事なのは、焦りのエネルギーを正しい方向へ変換すること。
聡生館では、この変換を次の3ステップで指導しています。
■ ステップ1:書く(見える化)
焦りは頭の中で膨らみやすい。
だからこそ、まず紙に書き出すことが大切です。
・やるべきこと
・不安に感じていること
・期限
・優先度
これを書き出すだけで、80%の焦りは収まります。
脳は「情報が外に出た」と安心するからです。
■ ステップ2:分ける(小さくする)
焦りの正体は「大きすぎる課題」。
冬前の勉強は、すべて“小さく分けること”が鍵になります。
たとえば英語なら、
「英語が苦手」ではなく
“単語” “文法” “読解” “英作文”
に分ける。
この瞬間、課題は解決可能なものに変わります。
■ ステップ3:1つだけやる(行動につなげる)
焦っているときは、
いきなり全部をやろうとして動けなくなります。
だからこそ、
「今日やることはこれ一つ」
と決める。
1つを終えるたびに、焦りは行動エネルギーへと変わっていきます。
4.生徒との対話から見えた“焦りの本質”
ある受験生の話です。
模試の結果が返ってきて、本人はひどく落ち込んでいました。
「焦るばかりで勉強が手につきません。」
私はこう尋ねました。
「何に焦ってる?」
彼はしばらく黙ったあと、
「冬にちゃんと伸びるのか不安で…」と答えました。
焦りとは“未来への期待の裏返し”。
目標があるからこそ生まれる感情なのです。
私はこう伝えました。
「焦りはね、行動できれば“エンジン”になる。
行動できなければ“重り”になる。」
そして彼は冬期講習で、
“1日1つだけ課題を完成させる”学習法を徹底しました。
結果、1月には見違えるほど安定した力が身につきました。
5.冬前の11月20日は「心を整える日」
11月20日という日は、冬期学習の本格スタートを切る絶好の日です。
理由は3つあります。
-
まだ時間があるので、混乱ではなく準備に回せる
-
冬休み前の最後の心の再調整ができる
-
焦りを“エネルギー”に変える方向性をつくれる
今日という日は、
焦りに飲み込まれるか、
焦りを味方にするかの分かれ道。
心を整えれば、冬の学びは必ず伸びます。
6.聡生館の冬期講習 ― 焦りを“力”に変える冬
聡生館の冬期講習は、
単に問題を解く講習ではありません。
冬は「心の姿勢を整える季節」。
聡生館では次の3つを柱としています。
■ ① 思考の整理
焦りを抑える最大の方法は“頭の整理”。
毎回の授業で「今日できたこと」を必ず書きます。
■ ② 学習リズムの再構築
生活・学習リズムを冬型へ最適化。
集中力を引き出し、無駄な疲労を減らします。
■ ③ 小さな成功体験の積み上げ
焦りに強くなるのは、自信が戻った瞬間。
冬期講習ではその瞬間を必ずつくります。
7.まとめ ― 焦りは“未来の合図”
焦りは悪者ではありません。
未来へ向かう心が、
「そろそろ準備しよう」と教えてくれているだけです。
焦りを行動へ変えた瞬間、
それは“力”に変わる。
この冬、自分を責める冬ではなく、
自分を整え、自分を信じる冬にしてほしい。
聡生館はそのために、全力で伴走します。
-
スプラウツ“安心”がすべての出発点 — スプラウツメソッド@2025/10/13 -
スプラウツ「子どもの自己肯定感を育む — 比べない子育ての大切さ」2025/09/25 -
聡生館小1の壁とは、2025/07/04


