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2025/10/29
スプラウツ
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“比較しない”という勇気 — 自分のペースで生きる力を育てる —

 「どうしてあの子はできるのに、私はできないんだろう」
 「友だちはもう進んでいるのに、僕はまだここなんだ」

 そんな言葉を、子どもたちの口からよく耳にします。
 比べてしまう気持ちは、誰の心の中にもあります。
でも、そこに少しの“勇気”があれば、
人はもっと自分らしく生きられるようになるのです。


比べることから生まれる“苦しさ”

 現代の子どもたちは、常に「比較」の中で生きています。
テストの点数、運動会の順位、友だちとの関係、SNSの“いいね”の数——。
周りの誰かと自分を比べて、安心したり落ち込んだり。
本当は頑張っているのに、「自分はダメだ」と感じてしまうこともあります。

 特に、不登校や発達特性をもつ子どもたちは、
「人と違う」という現実を、早い段階で突きつけられることがあります。
でも、“違い”は“劣り”ではありません。
そこに気づくためには、まず比較しない勇気が必要なのです。


“違い”こそが、個性の始まり

 スプラウツでは、子どもたちに「得意」と「苦手」を一緒に探していきます。
「これなら得意だね」「ここはちょっと苦手だけど、工夫すればできそうだね」——
そんな対話を重ねながら、一人ひとりの“自分の軸”を育てていきます。

 ある生徒は、勉強が苦手で自信をなくしていました。
けれど、絵を描くことや、パソコン操作がとても上手でした。
その得意分野を生かして、教室の掲示物づくりをお願いしたところ、
「僕の絵が教室に貼られた!」と誇らしげに笑ったのです。
 彼の中で、「自分にもできることがある」という気づきが芽生えました。
人と比べるのではなく、自分の中での“成長”を見つけられた瞬間でした。


“比較しない”とは、“自分を信じる”ということ

 「比較しない」と聞くと、なんだか難しく感じますが、
実はそれは“自分を信じる”という行為に近いのです。

 他人の評価よりも、自分のペースを大切にする。
誰かのスピードではなく、自分のリズムで進む。
それが“比較しない”という勇気です。

 スプラウツでは、子どもたちが一歩進んだとき、
その“過程”を丁寧にほめます。
「昨日より自分で考えられたね」「前よりも少し長く集中できたね」——
そんな小さな成長を見つけて伝えることで、
子どもは“自分を認める力”を育てていきます。


大人が持つ“比較のメガネ”を外す

 実は、子どもたちを苦しめている“比較”の多くは、
大人の側の視点から始まっています。

 「みんな同じようにできてほしい」
 「遅れていると心配」
 「〇〇くんはもうできてるのに」

 そんな思いは、子どもへの愛情から生まれているのですが、
子どもの心には「ぼくはダメなんだ」というメッセージとして届いてしまうことがあります。

 スプラウツでは、保護者面談の際にも「その子のペース」を尊重する話を大切にしています。
“できる・できない”ではなく、
“昨日よりどんな顔で過ごしていたか”を一緒に振り返ります。
子どもの変化は、結果ではなく表情の中に現れるからです。


“比べない環境”が生む安心と自立

 スプラウツの教室には、テストの点数を貼り出す掲示もなければ、
競争をあおる仕組みもありません。
その代わり、子どもたちが「できた!」と感じた瞬間を、
一緒に喜び合う空気があります。

 ある日、プリントを終えた生徒が言いました。
「先生、ぼく、まだ終わらないけど、昨日より速くできた!」
その言葉の中に、“他人ではなく自分との比較”がありました。
それこそが本当の成長です。

 比べられない環境の中で、子どもたちは安心して自分を出し、
自分のリズムで伸びていきます。
“比べない”ことは、自分を大切にする力を育てる第一歩なのです。


“ありのまま”を認め合う社会へ

 “比較しない”という勇気は、教育の中だけでなく、
私たち大人にも必要な心の姿勢です。
社会の中で、人と比べず、自分らしく生きることは簡単ではありません。
でも、それを実践できる子どもが増えれば、
世界はもっとやさしく、多様な価値を認め合う場所になるはずです。

 スプラウツの願いは、
「違っていてもいい」「そのままでいい」というメッセージを
子どもたちの心に届けることです。
そして、その子が自分のペースで歩み始めるとき、
私たちは静かに見守り、応援し続けたいと思います。


“比べない”から見える、本当の笑顔

 人と比べることをやめると、見えてくるものがあります。
それは、“昨日の自分”です。
そして、その自分の中に、確かに育っている“成長”があることに気づきます。

 スプラウツの教室では、
今日も一人ひとりが自分のペースで進んでいます。
競争のない場所で、自分の内側から湧き上がる力を信じながら——。

 “比較しない”という勇気。
それは、生きる上でいちばん大切な、自分へのやさしさなのかもしれません。



by Dr.Kazushige.O
(一般社団法人 自在能力開発研究所/Sprouts フリースクール代表)

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